絵で見る創意くふう事典  》 第12章 組織  》 Cよい人間関係をつくる
 
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組織‐1204 Cよい人間関係をつくる BACKNEXT

人間はしばしば理屈より感情に支配されます。そのため、複数の人間が共通の目的に向けて力を合わせるには、よい人間関係を築くことが不可欠です。ここではそのための創意くふうを取り上げます。

 このページの掲載事例→           ●120401 挨拶は上から下から心から  
 ●120402 笑顔で話しかける  
 ●120403 サンクスカードを贈る  
 ●120404 儲けは税金と社員を喜ばせることに使う  
 ●120405 周りの人を喜ばせる
 ●120406 社長の生き方、考え方を伝える
 ●120407 ゆたかな社会感覚、生活感覚を持った社員を育てる
 
【120401】 挨拶は上から下から心から  
 
新潟の印刷業、タカヨシの高橋春義社長はある勉強会で「挨拶は、上から、下から、心から」という言葉を聞いた、それまで毎朝の朝礼で「おはようございます」「いらっしゃいませ」と声に出させて猛特訓していたが、このとき聞いた言葉で自分のやり方は「挨拶は、まず下から、次に上から、それが当たり前」だったと気がついた。その後、社長である自分から心をこめて「おはよう」と言おうと決めた。

取材先 タカヨシ(tanbouki 006
取材 2006/03/06
掲載 ポジティブ2006/05
本文 takayoshi.pdf へのリンク

 
 
 
【120402】 笑顔で話しかける   


タカヨシの高橋春義社長は、あるコンサルタントから「高橋さん、いい笑顔ですね」と褒められたことがある。それがきっかけで毎朝鏡に向かって笑顔の練習をした。それまで辞めていく社員に「お前、何で辞めるのだ!」と責める口調になっていた。「そうか、辞めるのか、また遊びに来いよ」と笑顔で言おうと決めた。そんなふうに自分が変わると社員が少しずつ変わり始めた。採用しても採用してもボロボロやめた社員が辞めなくなった。

取材先 タカヨシ(tanbouki 006
取材 2006/03/06
掲載 ポジティブ2006/05
本文 takayoshi.pdf へのリンク
  

 
【120403】サンクスカードを贈る  

■兜髄野では、社内で人から親切にしてもらったり、手助けしてもらったときなど、感謝の気持ちを伝えたいときは「サンクスカード」に書いて相手に渡す。全社で2000枚のサンクスカードを集めることを目標にしており、これを通じて素直に「ありがとう」と言える風土づくりをめざしている。

取材先 武蔵野(tanbouki 0-1
取材 2002/09/13
掲載 燃えよリーダー2002/11
本文 musashino.pdf へのリンク  

 
 
【120404】 儲けは税金と社員を喜ばせることに使う  

お菓子のデパート、吉寿屋の神吉武司会長は、早起きこそが事業成功の秘訣だという。朝の10分の能率は晩の30分に相当するし、朝は車の渋滞に巻き込まれる心配もない。毎朝5時に起きて6時に出社。人より大きな声で挨拶し、徹底して整理整頓し、一切のムダを省いて業界トップの利益率を実現。事業を成功に導いてきた。

神吉さんはそのようにして人一倍働いて稼いだお金を自分のために使わなかった。世の中は税金によって成り立っている。それに少しでも貢献したいと毎年少しでも多くの税金を支払うことを目標にしてきている。

もうひとつは社員を喜ばせることに使ってきた。朝早く出社するのは一向に構わないが、残業は基本的に禁止。夕方6時には帰宅して家族と一緒に食事し、子供の誕生日には一緒になってローソクを消すことを厳命している。

■珍しいものを見つけたら買ってきて抽選で社員にプレゼントする。珍しい果物、神吉さんが感銘を受けた本、食事会への招待。笑顔コンテストの優勝者にはペアでディズニーランド招待。年間最優秀正社員には、翌年1年間に限り年俸3000万円を支給、最優秀パート社員には1000万円を支給する。

少子化と核家族化で人と人との絆が薄れてきたいま、家族という最後の絆を大事にしたいという人が増えている。そんな時代に即した働き方を提供し、その中でやる気を盛り上げていく工夫である。

取材先 吉寿屋(tanbouki 067
取材 2008/06/04
掲載 ポジティブ2008/08
本文 yoshiya.pdf へのリンク
 

 
吉寿屋寝屋川店(左)と徳島阿波踊りで結成された武秀連
 
【120405】 周りの人を喜ばせる  

お菓子のデパート、吉寿屋の神吉武司会長の少年時代のエピソードである。聖徳太子の図柄の最初の千円札が発行されて間もない頃、神吉さんは二人の友人と一緒に歩いていて、1枚の千円札を拾った。

目の前の家で「落ちていますよ」と声をかけると、落としたのは自分たちではないとのこと。結局警察に届けた。それでも落とし主は現れず、千円は1年後に神吉さんたちのものになった。

■神吉さんは一緒にいた友人たちに350円ずつ渡して、自分は300円をとった。「拾って届けたお前が300円で、一緒にいた2人が350円か?」父はそんな風に言ったが、そう言いながらも嬉しそうだったという。

■その後、神吉さんはこう続けた。「そのとき私が400円をもらって、2人に300円ずつ渡したのだったとしたら、友人も私もこの話はとうの昔に忘れていたと思います。しかし、私は自分がいい思いをするよりも、周りの人たちが喜ぶのを見たかった。だから2人の心に入り込むことができた。2人は今でもこのことを覚えてくれています」

取材先 吉寿屋(tanbouki 067
取材 2008/06/04
掲載 ポジティブ2008/08
本文 yoshiya.pdf へのリンク 

 
【120406】 社長の生き方、考え方を伝える  

■和歌山市のクリーニング業、クリーンサワの澤浩平社長は「自分はお客様からお育てをいただいた」という。

■クリーニング業というのはそんなに儲かるビジネスではないが、お客様に一番近い所で、お客様に一番喜んでいただける仕事である。あまり利益が上がらなくても、もっとお客様にいただこうと工夫すれば、その中で、自然に知識・技術が身についていく。それで十分だと思う。今日の命を精一杯燃焼させて生きられるなら、いつどこで息絶えても惜しくないと思っている。

■クリーニング業の中で身についた自分のそんな生き方を社員に伝えるために、澤さんは自分が講師になって、20年近く前から社内研修会を開いており、これまでに300回を数える。テーマは、クリーニング、繊維素材、報告連絡相談、少子高齢化、グローバリゼーション、イノベーション、健康管理…。

■毎回その話を聞いて感じたこと感想文を数行で書かせており、それを冊子にまとめて残している。ずらりと並んだ300回分の感想文集を「これこそがわが社の基本財産です」と澤さんは言う。

取材先 クリーンサワ(tanbouki 009
取材 2006/06/15
掲載 ポジティブ2006/0
本文 cleansawa.pdf へのリンク 

 
 
【120407】 豊かな社会感覚、生活感覚をもった社員を育てる  
 
■お客様から信頼され支持される会社となるためには、豊かな社会感覚、生活感覚を持った社員を育てる必要がある。新聞販売店、ASA栃木中央の松尾光雄社長は、そのために正社員を対象に家庭のこと、社会のこと、政治・経済・文化に関することを語り合う「ふくろう塾」という勉強会を開いている。

■あるとき松尾さんは19歳の高卒新入社員のクンのことを話題に取り上げてこんな話をしたことがある。お客様への対応がよく、営業成績も優秀な若者で、大事な彼女がいるという。

■「それじゃ、キミが大人になってどんな家庭をつくるかということを考えてみよう。家庭を作るには相手がいるね。そしてその相手を愛していなければならないね。キミはその彼女と同棲したいのかい? それとも結婚したいと思っているかい? 結婚するとしたら君達には4人の両親がいて、その上には8人のおじいさん、おばあさんがいるね。そして君達にはやがて子供ができる。そうすると自分たちだけじゃないということに気がついてくる。ご両親は君たちが自分たちと同じように幸せな家庭を築いてくれれば嬉しいし、君たちも自分たちの子供が幸せな家庭を築いてくれれば嬉しいと思うようになる。君たちから受け継いだ素質をもっと膨らませて子供たちが世の中の役に立つような生き方をしてくれれば、君たちの人生はもっと大きくひろがっていく。しかし、これはきちんと結婚した場合だよ。単に同棲するだけだったらこんなふうには広がらない。結婚しようと思うのなら会社できちんと働いてお金を貯めなければダメだ。30代でうまくリーダーシップを身につけること、40代ではグループのトップになって自分の責任で世の中に羽ばたいていかねばならない」

■この話はAクンだけでなく、そこにいる全員が自分の身に引き換えて真剣に聞いていた。そうした豊かな生活感覚、社会感覚を共有してこそ、お客様と気持ちが通じ合い、きちんと話し合えるようになり、お客様の信頼を勝ち得ることができるようになる、と松尾さんは考えている。

取材先 ASA栃木中央(tanbouki 014
取材 2006/07/21
掲載 ポジティブ2006/09
本文 asatochigi.pdf へのリンク

 社員たちによる地域の周辺清掃
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