絵で見る創意くふう事典 》 第12章 組織 》 E改善活動展開する | ||||||
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組織‐1206 E改善活動を展開する | ![]() ![]() |
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毎日の仕事の中で、1人ひとりが見て、感じて、考えたことを、全体のために活かすことができたら、組織は最強のものになります。提案活動とQCサークルなどの小集団活動のねらいは、そうした組織をつくることにあります。 |
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このページの掲載事例→ | ●120601 提案活動を推進する | |||||
●120602 DIO活動で生産改革をめざす | ||||||
●120603 小集団活動で保育の質を高める | ||||||
●120604 改善活動でデザート部門を黒字化する | ||||||
●120605 セル生産に向けて改善活動を展開する | ||||||
●120606 5S運動で社員の力を結集する | ||||||
●120607 小集団活動を復活しモジュール化を推進する | ||||||
●120608 よくみつけましたね提案制度 | ||||||
●120609 市役所の行政品質向上活動 | ||||||
●120610 QCサークル活動で医療サービス向上 | ||||||
●120611 QCサークル活動で特許事務の品質向上 | ||||||
●120612 ソフト開発会社の5S活動 | ||||||
●120613 市役所の改善を市民に見えるようにする | ||||||
●120614 医療スタッフみんなが患者さんの立場で考える活動を展開 | ||||||
●120615 気づきメモ提案制度 | ||||||
●120616 カイゼンでワークライフバランス改善 | ||||||
●120617 幸福実感日本一をめざす人づくり改革 | ||||||
●120618 「ひとり1改革運動」で危険ドラッグ撲滅に取り組む | ||||||
●120619 利用者満足度向上をめざす救護施設のQCサークル活動 | ||||||
●120620 病院スタッフのプロ意識を高めた3つの活動 | ||||||
【120601】 提案活動を推進する | ![]() ![]() ![]() |
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提案制度は従業員の経営参画を目的に各社が戦後に導入。1970年代に入ってQC手法の現場への展開という目的が加わり、改善効果を重視するようになった。以下は、その当時(1973)の各社提案担当者による座談会の要約。 ■住友金属工業 ■松下電器産業 ■日立造船 ■日本生命保険 ■トヨタ自動車工業 取材先 提案制度プロモーション研究座談会 |
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【120602】 DIO活動で生産改革をめざす | ![]() ![]() ![]() |
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■1985年、市場や環境変化にいち早く対応するために、自主的な改善活動の必要が指摘され、製造現場を持たない計測事業部でDIO(Do It Ourselves)活動がスタートした。事務のマニュアル化、ファイルの共有化、情報の電子化、ゴミ分別の徹底、ISO9001認証取得の条件整備…などの分野で自主的なグループ活動を展開。1995年から一部の技術系部門や営業部門まで含めて全社展開されるようになった。 ■活動は次のように行われている。 取材先 島津製作所 |
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【120603】 小集団活動で保育の質を高める | ![]() ![]() ![]() |
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■保育園のクラスは0〜2歳児は年齢別、3〜5歳児は縦割りで編成されている。当初は各クラス3人の担当職員の中から1人ずつをピックアップしていたが、後にクラスごとにサークルを編成。クラス担当職員のほか、事務職員もどこかのサークルに加わって活動することになった。 ■活動は4月からスタートし、7月後半に発表会を開催。そこで保育園長が問題点や足りない部分を指摘し、指摘されたサークルはもう一工夫を重ねて8月に再度発表する。優秀サークルは日本福祉施設士会が主催する全国大会に出場する。 ■これまでのテーマに「指しゃぶりをやめるには」「お箸を上手に使うには」「スプーン・フォークの持ち方」「しっかり手を洗おう」「ぶくぶくうがいできるかな」「竹馬に上手に乗るには」「挨拶ができるようになろう」「保育園の環境をしろう」などがある。 ■このほかに「こどもと地域住民のスローフード」というテーマで、地域の高齢者を保育園に招き、手打ちうどんの作り方を教わったという発表や、「2歳児の地域交流」というテーマで、2歳児クラスのサークルが、子育てに悩みを持つお母さんを招いて、保育園生活を体験してもらうというのがあった。 取材先 至誠第二保育園) |
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【120604】 改善活動でデザート部門を黒字化する | ![]() ![]() ![]() |
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■樺|屋のデザート類製造部門はプリン・ゼリー・シュークリームなどを製造している。目が回るほど忙しかったのに利益率が低かった。急ぎの注文が入ったり、発注ミスがあると生産計画が現場サイドで書き換えられ、人件費単価が高く未熟練の派遣労働を投入してコストアップを招いていたからである。 ■そこで、2003年、すべての生産計画は社長が決済することにし、次のように改善した。 ■2005年から全員参加で改善提案活動をスタートさせた。 ■改善事例として次のものがある。 C商品の包装の日付が見にくい、汚れている…など、検査室で問題が見つかると、現場に連絡が入り、現場は同じ時間帯に包装した商品を全数チェックして、結果を検査室に連絡する。このとき電話だと記録が残らない。そこで、調査結果報告のフォーマットを作成。それに記入してファックスすることにした。弧の改善は後に、ISO9001の予防措置の一環として位置づけられた。 取材先 竹屋 |
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【120605】 セル生産に向けて改善活動を展開 | ![]() ![]() ![]() |
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■椿本チエインは2001年に大阪市鶴見区にあった工場を京田辺市に移転。新工場は2004年から本格稼働した。その頃、世の中は必要なものを必要なときに必要なだけ購入する時代に移行しつつあり、それに対応して、それまでの大量生産方式から必要なものを必要なときに必要なだけつくるセル生産方式に切り替えを図り、そのためにバブル崩壊後休止していた改善活動を再構築した。 ■改善事務局を担当する品質保証課は、社長を通じて管理監督者に改善活動への支援を呼びかけ、積極的に改善して目標や課題を達成しないとよい評価は得られないと、改善の必要性を強く訴え、1人月1件、年間12件の提案を目標に置いた。 ■一般社員の改善提案活動と並行して、職制を中心とした次のようなセル生産活動を展開した。 |
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【120606】 5S運動で社員の力を結集する | ![]() ![]() ![]() |
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■真空装置用ステンレス部品加工受託業、斉藤マシン工業(山形県天童市)は、.2005年、異業種交流団体の勉強会で「5S」のモニター工場になると手を挙げ、コンサルタントを招いて「5S」に取り組んだ。 ■モデルスペースを決め、油で真っ黒になった床をきれいにする。床に張りついた油をヘラではぎとり、洗剤で洗い流し、拭き取って、ペンキ塗りし、通路とモノの置き場をわけるラインを引く。当初1年で横展開する計画だったが、これを2か月半でやり終えた。 ■現在は次のような活動を行なっている。 ■5Sモニター工場である同社には毎月1回異業種交流会のメンバーの訪問を受ける。活動の成果を見られ、訪問客から賞賛されることが、社員に自信と誇りを与えた。2006年からTPS(トヨタ生産方式)活動が始まり、コンサルタントの指導の下で、新たな改善に取り組んでいる。 取材先 斉藤マシン工業 |
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![]() ![]() ![]() 整理整頓された工場内 |
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【120607】 小集団活動を復活し、モジュール化を推進する | ![]() ![]() ![]() |
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取材先 三菱重工業工作機械事業部) |
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![]() 工作機械事業部工場内部 |
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【120608】 よくみつけましたね提案制度 | ![]() ![]() ![]() |
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■絹の精練加工専業メーカーだったセーレン(福井市)は複雑な生産工程にITを活用したジャストインタイム生産方式を導入。コンピュータが導き出した最も無駄のない生産計画の実現をはばむ問題を、ひとつひとつつぶしていく活動を展開した。 ■そのひとつに染色加工事業の損金をゼロにする取り組みがあった。他社から生地を預かって染色加工する事業で、加工に失敗すると生地を買い取らねばならず、欠陥が見つかって再加工した場合のコストアップも損金になる。この損金をゼロにするという課題に取り組んだ。 ■それまで問題発見、対策実施に責任を負っていたのは係長クラスだったが、彼らだけで損金ゼロは実現できないことがわかり「よく見つけましたね提案制度」を導入した。従来の改善提案は自分の仕事の問題を自分で改善し結果を報告するものだったが、この制度では他部門や他人の仕事の無駄を見つけて提案することが奨励される。採否の判定と改善実施は担当部門が行い、提案者はアイデアを提案するだけ。パート・派遣など非正規社員にも積極参加を呼び掛け、その提案実績は正社員登用の条件とされた。 ■これにより、たとえば次のような提案が出てきた。 ・染色工場でインクの色違いを早期に発見した。 ・原料に針金が入っているのを発見。生地にキズがつくのを防止した。 ・コーティング工場で加工中のムラを発見した。そのままコーティングしてしまうと再加工ができなくなり、大きな損金が出るところだった。 ・生地の裏と表を反対にして機械にかけそうになったことに気づいた。生地の納入業者が「裏」と「表」と判をついているのだが、その表示が間違っていた。もしもそのまま機械に掛けていれば大量の不良が出たはずだが、そのことに気付き大きな不良の発生を未然に防いだ。 ■この活動により改善の目が現場の隅々に行き渡り、損金はゼロに近づき、生産工程は滞りなく流れるようになった。 取材先 セーレン) |
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【120609】 市役所の行政品質向上活動 | ![]() ![]() ![]() |
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■市役所の仕事には、民間の売上や利益に相当する目標がない。そこで、大塩民生市長は職員の頑張る目標として、2008年に「行政経営品質プログラム」を導入。各部門の課題解決のために、どんな活動を行ったか、それがどんな成果を上げたかを中堅職員48人のアセッサーによって評価する仕組みをつくった。 ■その一環として各課の課題をチームで解決する「TK(チーム改善)活動」を展開。たとえば、次のようなテーマに取り組んでいる。 ・風水害を最小限に防ぐ判断基準を高める(総務部危機管理室) ・「こんなことやってますねん」つくってみて、おもしろいホームページによる情報発信(市民生活部商工観光課) ・がん(胃・子宮頸)検診の受診率を向上させる(健康福祉部健康づくり室) ・ひとり親家庭への支援マニュアル作成(こども部子育て支援課) ・上下水道組織のスムーズな統合に向けた準備体制の構築(土木部下水道建築課)…
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![]() ![]() ![]() ↑市役所ロビーの「DASH!挑戦プロジェクト」の垂れ幕(左)と、カイゼン合戦in大分での市民課職員の発表 |
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【120610】 QCサークル活動で医療サービス向上 | ![]() ![]() ![]() |
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取材 2012/04/18 掲載 リーダーシップ2012/06 探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki131.htm |
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![]() ![]() ![]() 看護部のQCミーティング(左)と院内発表会風景 |
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【120611】 QCサークル活動で特許事務の品質向上 | ![]() ![]() ![]() |
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■その指導の下で、たとえば、明細書作成部門では、依頼案件についてどういう権利主張ができるかの勉強会を展開したが、それまで1人でやっていた仕事をみんなで一緒にやることの拘束感、負担感から、QC活動がいやで辞める者が続出。従業員アンケートでも「もうやめたい」という声が大きくなった。 ■「それでもトップの強い意思で引っ張っていくのがQC活動です」との指導者の助言で、「苦しいけれど耐えて頑張ってほしい」と恩田博宣会長が説得。以後の取り組みはさらに真剣なものとなり、明細書作成部門は過去の出願事例を研究。事務管理部門でも仕事の効率化、マニュアル化に取り組み、大きな業務効率化効果を生み出している。 ■事務管理部門の活動事例として、例えば次のような例がある。 取材 2012/06/11 掲載 リーダーシップ2012/08 探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki133.htm |
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![]() ![]() ![]() ↑QCサークルミーティング(左)と社内発表会 |
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【120612】 ソフト開発会社の5S活動 | ![]() ![]() ![]() |
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■テーマは執務活動を改善する「ハードエア改善」と「ソフトウエア改善」の2種類があり、この2つを同時並行で進める。「ハードエア改善」は執務環境の改善で、執務室の清掃、不要不急品の整理整頓、パソコンやサーバなど、機器類の不具合補修など、世間でいう「5S」そのもの。「ソフトウエア改善」は部署ごとの業務改善活動をいう。当初は「ハードエア改善」に重点があったが、「5S」の習慣化、定着化とともに「ソフトウエア改善」のウエイトが高まっていった。 ■「ソフトウエア改善」の事例として次のものがある。 ・ソフト開発と販売の連携強化のために、販売・開発・サポート部隊の代表社員でリリース委員会を編成。販売戦略、機能用件の立案検討、販促用資料整備、新バージョン検討などを行ない、その活動の中から、企業間の情報交換業務を効率化する「Autoプラウザ名人」「Autoメール名人」などのヒット商品が生まれた。 ・中国大連のソフト開発子会社に任せられる仕事を増やすために、ユーザックシステムなりの仕事の進め方を子会社スタッフに順を追ってひとつひとつ勉強してもらい、子会社に依頼できる仕事の範囲を広げ、詳細設計など上流工程も任せられるようにした。 ・ホームページを見て商品カタログを請求してくる会社が少なくない。そのオファー件数を高めるために、営業グループは、それまで顧客に対して行ってきたアドバイスを小冊子にまとめ、無償で配布した。ソフト導入に際して知っておくべき基礎知識「失敗しないための7つのチェックポイント」、物流会社に任せてしまう前に知っておくべき「物流コスト削減の絶対法則」など5種類。また、物流システムソフトのPRのために、ユーザーの同意を得て、会社の実名入りの豊富な物流改善事例をまとめ、ホームページ上に一般公開した。 取材先 ユーザックシステム |
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![]() ![]() ![]() ↑朝の清掃活動(左)と審査員による書類審査風景 |
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【120613】 市役所の改善を市民に見えるようにする | ![]() ![]() ![]() |
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・職員の名刺に「尼崎のええとこ」の写真やキャッチフレーズを入れ、「尼崎のええとこ」をPRする。 ・市内各所を対象とした施策や課題を集約して研修ルートを設定。新規採用者にスタンプラリー形式でそれを回らせ、地域の特性や課題を把握させる。 ・ものづくりのまちの特性を生かして、尼崎独自の自転車を制作。それを利用してレンタサイクル事業を行なう。 ・職員の任意グループによる自主研修「夜カツ」に庁内外からゲストを招き、仕事哲学、経営哲学、市役所人生を語ってもらい、その後参加者と意見交換する。 ・行財政改革計画のわかりやすい解説書を作成。行財政改革計画推進課が「プロジェクトの伝道師」となって、庁内で説明して回る。 ・ゴミ収集車と市民・職員の安全確保のため、スプレー缶排出方法を広報誌や市のホームページで啓発、高齢者や適正排出困難者のサポート、不良排出世帯の個別啓発を行う。 ・青少年センターを明るく快適なものにするため、青少年による実行委員会を組織、ボランティアを募集、イベントを企画するなど、変化のある環境づくりに務め、あまりお金をかけずに再整備する。 ・自動販売機の節電のため法定外環境目的税の導入検討にための研究会立上げを検討する。 取材先 尼崎市役所 |
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![]() ![]() ![]() 提案募集のポスター(左)と審査参加を呼びかけるポスター |
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【120614】 医療スタッフみんなが患者さんの立場で考える活動を展開 | ![]() ![]() ![]() |
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@「進取の精神」「変革」「前向き」「使命感」「やさしさ」「チームワーク」をみんなで共有し、実践していくことをめざした。 AISO9001を導入し、サービスの品質と提供の仕組みをつくり、バランスト・スコアカードによる業績評価システムを導入した。 Bたとえば2011〜2013年には「日本一患者さんが幸せになる連携医療」を3カ年ビジョンとし、それに基づいて職場ごとに具体的な目標を決め、その達成に向けてPDCAを回す活動を展開した。 ■かつての医療現場は、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士などはすべて医師の配下にあったが、1999年に入院患者1人ひとりの治療計画を一覧表にしたクリニカルパスを導入、2002年には電子カルテが導入され、みんなが患者の経過をみながら、主体的に治療計画に関わるチーム医療がこの活動の中で進んだ。 取材 2013/03/12 掲載 リーダーシップ2013/05 探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki145.html |
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![]() ![]() ![]() ↑福井済生会病院の外観と3カ年ビジョン策定のための幹部職員合宿 |
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【120615】 気づきメモ提案制度 | ![]() ![]() ![]() |
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■「今日はこんなことがありました」「そのとき自分としてはこうすべきだったのにそれができなかった。反省しています」「こういうことをしたら、お客様に喜んでもらった」「こんなやり方をしたら、自分自身や仲間の成長に役立つと思います」などの感想や提案をメモして、スタッフルームへ貼り出す。 ■店長や社員がそれを読み、1人ひとりのメモに返信をする。50人のアルバイトたちと個別面談するのは難しいが、それを補完するために始まった制度で、当初は各店毎月10枚以上というノルマを課した。今では気づきメモの大切さを1人ひとりが理解したことで、自主的に全社で毎月1万枚以上のメモが集まっている。 ■気づきメモは1カ月分をまとめて本社に送る。その中から重要な指摘や波及効果の大きな提案を含んだ3枚程度を各ブロック長が選び出し、幹部とブロック長が集まって「気づきメモ読み合わせ会」を行なう。その中から最優秀作を選び、本社からその提案者のもとに出向いて提案の詳細や背景を聞きに行き、提案者の名前や顔写真とともに「気づき通信」として、全社に配信している。 ■この活動によってアルバイトたちの自主性と創意工夫の増進、各店舗の運営ノウハウの共有化が図られている。また、気づきメモ活動がきっかけとなって従業員同士で感謝の気持ちを伝え合う「ありがとうカード」活動や自分たちの最高の笑顔を写真にとって更衣室に掲示するなどの活動が各店舗で広がっている。 取材先 ワン・ダイニング |
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![]() ![]() ![]() ↑張り出された気づきメモと気づきメモ読み合わせ会 |
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【120616】 カイゼンでワークライフバランス改善 | ![]() ![]() ![]() |
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■県の土木工事の入札・契約事務を管理する県土整備事務所建設総務課は、課員8人のうち3人が就学前の子供を持つ女性職員。ムリがきかず、職場として配慮が必要な場合が少なくなかったため、一部の人たちに時間外勤務が集中しがちだった。 ■それを改善するためにカイゼンチーム、5Sチーム、OJTチーム、下請点検チーム…などをつくり、課員はそのいずれかのチームの担当となった。各チームは1週間ごとに活動計画を決め、進捗状況を課長に報告し、軌道修正しながら活動をすすめ、その中で次のようなカイゼンが生まれた。 ・課の業務フロー図を作成。その過程で起こりやすい問題について話し合い、約款のパターン化、業務の標準化、簡素化、適正化、効率化を進めた。 ・事業者と契約書を交わすとき、契約書の案文を先に渡すと、事業者がそれを打ち直し、抜けや改ざんの可能性が生じ、そのためのチェックも必要になる。そこで、先に建設総務課が押印した文書に事業者に押印してもらうことにした。 ・建設工事の公募条件は発注担当課長がExcelで作成、その後審査を経てExcelの形で公告するが、Excelファイルの形式が異なるため、建設総務課でコピー&ペーストなどの手直しが必要だった。そこで、Excelファイルの形式を統一。手直しの手間を省いた。 ・契約関係書類は担当者ごとにそれぞれの場所に平積みされていたので、探すのに時間がかかった。そこで、縦置きし、ラベルを張り、事業の種類ごとに色分けして、探しやすくした。 ■これらの改善により、業務の標準化・簡素化・適正化・効率化がすすみ、別の担当者が代行できるようになり、これにより、休みが取りやすくなり、職員にやさしい職場になった。 取材 2014/04/23 掲載 リーダーシップ2014/06 探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki157.html |
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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ↑整理整頓されたファイル、県庁カイゼン発表会、マンガ版独自カイゼンテキスト「鳥馬伝」の表紙 |
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【120617】 幸福実感日本一をめざす人づくり改革 | ![]() ![]() ![]() |
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■これらの取り組みの中から次のような改善改革が生まれている。 ・総務部のジュニアボードが県庁来訪者に対して満足度の聞き取り調査を実施。その結果、案内表示の満足度が低いことがわかり、100を越える課の50音順の案内表示を作成。さらに電光掲示板の設置を提案した。 ・知的障害児の学校の教職員が女子美術大学とのコラボレーションで、知的障害児の図工作品と女子美大所蔵作品を一緒にならべた「アール・ブリュット(生の芸術)展」を津駅前ギャラリーで開催した。 ・農林水産部若手技師9人が、福祉施設障害者の水産事業分野での就労先を開拓。真珠養殖のためのアコヤ貝の付着器製作作業、三重外湾漁協での鮮魚販売などの仕事を開拓した。 ・2014年オープンの三重県総合博物館の来館者のリピート率を高めるために、環境生活部のジュニアボードが、無料送迎バス運行、学べる遊具・感じる写真スポット・方言による音声ガイド・ナイトミュージアムなどによる知的好奇心を満たす空間づくり、おしゃれなカフェづくりなどを提案した。 ・産業廃棄物の不法投棄に対して、紀南地域活性化局環境室は次のような方法で、法的拘束力のない行政指導の実効性を高めた。@事業者に対する指導を口頭指導から文書指導に変え、指導内容を明確化した。A指導文書の紙色を白黄赤にカラー化し、指導の重要度が一目でわかるようにした。これにより、不法投棄された墓石139トンが全量撤去され、産業廃棄物が混入した土砂や木屑444トンが全量撤去されるなど、複数の不正処理事案が解決した。 取材先 三重県庁 |
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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ↑本庁舎の案内掲示板、アールブリュエットブリュット展、アコヤ貝付着器の製作 |
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【120618】 「ひとり1改革運動」で危険ドラッグ撲滅に取り組む | ![]() ![]() ![]() |
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■活動内容は次の通りである。 @県内の不動産業界団体と提携。危険ドラッグ販売事業者に店舗を貸さないこと、危険ドラッグ販売事業者であることが判明した場合には契約解除することを業界の標準契約書に盛り込んだ。トラック業界とも同様の協定を締結し、危険ドラッグを運ばないこと、もしそれらしいものを運んだ場合は、いつどういうものをどこへ運んだかを報告して貰うことにした。 ■薬物対策班のこの活動は、薬事企画班、薬事審査班、広報課、教育委員会、県警などの協力を得て大きな効果をあげ、2014年度中に37回の店舗への立ち入り検査を実施、県内に6店あった危険ドラッグ販売店をすべて閉鎖に追い込むことに成功。危険ドラッグを吸引した人が救急搬送される事件も2014年12月以来ゼロが続いている。 取材先 静岡県庁 |
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![]() ![]() ![]() ↑危険ドラッグの風袋サンプル(左)と撲滅キャンペーンポスター |
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【120619】 利用者満足度向上をめざす救護施設のQCサークル活動 | ![]() ![]() ![]() |
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@利用者の中に内科の薬や精神科の薬など複数の薬を服用している人がいる。それを1袋ずつ飲むより1回でまとめて飲む方がラクなので、看護師はそれらをひとつにまとめていたが、そのために看護師業務の3分の1を費やしていた。そこで、追加費用なしに1包化を引き受けてくれる調剤薬局を探し、そこに薬の調剤を依頼することにした。 A利用者の昼食はご飯食かラーメンを選んで予約することになっていたが、「ラーメンが伸びていておいしくない」という苦情があった。そこでラーメン店を見学。ラーメンが何分で伸びるか、どうしたら伸びないラーメンを提供できるかを調べ、配膳してから利用者に席についてもらうという従来のやり方を改めて、配膳前に席についてもらい、席に着いた人から順に出来立てのラーメを出すことにした。 B2人部屋の居室で、1人が早起きするので眠れないという苦情がもう1人から 取材先 郡山清和救護園 |
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![]() ![]() ![]() ↑郡山清和救護園の利用者団らん風景(左)とリハビリ体操 |
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【120620】 病院スタッフのプロ意識を高めた3つの活動 | ![]() ![]() |
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■神戸市立医療センター西市民病院は1995年の阪神淡路大震災で本館が全壊。2000年に再オープンしたが、医師不足から地域の中核病院でありながら、深夜の救急患者受入れを制限せざるを得なかった。市からの財政支援によって医療スタップを充実させ、中核病院としての組織体制を一歩ずつつくり上げていき、6年後に深夜救急患者受入れを全面再開した。組織体制を充実させ、スタッフの意識を高める上で大きな力を発揮したのが次の3つの活動だった。 [インシデントレポート活動] [チーム医療の推進] [改善活動] 取材先 神戸市立医療センター西市民病院 |
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![]() ![]() ![]() ↑神戸西市民病院の外観(左)とポスターによる改善発表会の様子(右) |
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