絵で見る創意くふう事典  》 第12章 組織  》 G仕事の環境を快適にする
 
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組織‐1208 G仕事の環境を快適にする BACK


職場規律や組織のイメージ…などを守るために、職場には様々な制約や慣習があります。しかし、厳格すぎる慣習や制約は、ときに人々を息苦しくさせている場合があり、緩めても差し支えない場合があります。ここでは自由度を持たせることで仕事がやりやすくなった事例を取り上げます。

 このページの掲載事例→            ●120801 コンベアにウサギの絵を描く  
 ●120802 コンベア生産方式をセル生産方式に変える 
 ●120803 工場の休憩室を快適にする
 ●120804 カジュアルな服装で仕事をする
 ●120805 役職者を「さん」づけで呼ぶ  
 ●120806 知恵ちゃん学クンコーナーをつくる 
 ●120807 業務集中時間を設ける
 ●120808 企画部門後編集部門から電話機をなくす
 ●120809 夢の新社屋を建てる
 
【120801】 コンベアにウサギに絵を描く  


■ある工場でコンベアベルトに動物やマンガのキャラクターなど、作業者の思い思いの絵を描かせた。ベルトは10数分で1回転する。単調に流れるコンベア上に自分たちが描いた絵を見つけるとそれがひとつの段落になり、もうひと頑張りしようという気持になったという。

取材先 日本小集団活動協会・豊沢豊雄氏(1907-2010)講演
取材 1985/10/03
 
 
【120802】 コンベア生産方式をセル生産方式に変える  

■トイレサニタリー製品、プラスチック製タンク、便座、フランジなどを製造する折原製作所では、女性パート社員たちがライン生産による流れ作業で生産してきたが、次のような問題があった。
@多品種少量生産が進み、生産ロットが小さくなったことで、効率が悪くなってきた。
A作業者はコンベアの前で回転椅子に腰掛けて作業していたが、下半身を動かさずに同じ姿勢を続けていると足にむくみが出た。
Bモノをとったり、何かを確認するとき、下半身を固定したまま上半身をひねると、動作に無理が出て、疲労しやすかった。

■そこで、ライン作業を見直し、セル生産に変えた。
@必要な部品をセル台の上に並べ、1人ひとりがこのセル台の前に立って、それらを組み立て、梱包する。
A1人で完成させるから、自分のペースで進めることができ、待ち時間がなくなった。
B前後工程との物の受け渡しや確認がなくなり、作業効率が向上した。
C立ち作業になり、部品を取りに行くなどの歩く場面が生まれ、セル台はワンタッチで高さ調節できるようになって、疲労が小さくなった。
D1人で担当するので、責任感が高まり、不良が減少した。

■各セル台にはタッチパネルが取り付けられ、ここで生産計画、生産指示、部品の保管場所など、生産管理部門からの情報を確認することができるようになった。

取材先 折原製作所
取材 2006/08/30
掲載 ポジティブ2006/10
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki019.html

 
 
 【120803】 工場の休憩室を快適にする  


■従来の休憩室はテーブルを挟んで長椅子が対話形式で置かれれいるだけで、休憩時間の多様なニーズに対応できていなかった。
 

■そこで、次のように改善した。
@テーブルと長椅子のほか、リクライニングソファーや寝そべることのできるスペースを作った。
A壁の色や照明を工夫し、観葉植物を置いて、リラックスできる雰囲気づくりをした。
B音楽を聞いたり、テレビや雑誌を見たり、1人でもくつろげるようにした。


取材先 シャープIC天理事業部
取材 1995/03/17
掲載 燃えよリーダー1995/05
    

 
 【120804】 カジュアルな服装で仕事をする  


■白いワイシャツにネクタイ、紺かグレーの背広というビジネスマンのフォーマルなスタイルは、折り目正しさを感じさせるが、仕事は型にはまったものになりやすい。

■そこで、ある会社では、自由な発想を促すために、週に1回「カジュアルデー」を設定。ネクタイを外してカジュアルウェアで仕事をすることにした。


参考文献 労政時報3221
 
掲載 燃えよリーダー1995/05 
  

 
 
 【120805】 役職者を「さん」づけで呼ぶ  

■組織の中の上下関係よりも、1人ひとりがどんな役割を担っているかが重要になってきている。そこで、ある会社では意識変革のために「社長」「部長」「課長」「係長」という役職名で呼ぶことを辞めて「さん」づけで呼ぶことにした。


参考文献 労政時報1994/08/12
掲載 燃えよリーダー00/08
 
 
 【120806】 知恵ちゃん学クンコーナーをつくる  
 
■企画を練ったり、調べものや書きものをしているときに電話がかかってきたり、話しかけられて中断すると、考えがなかなかまとまらなかった。

■そこで、事務所の一角に「知恵ちゃん、学くんコーナー」を作り、ここで調べものをしたり、書きものをしているときには電話を取り次いだり、話しかけないことをルール化した。

取材先 フジコーポレーション
取材 1995/03/06
掲載 燃えよリーダー1995/05
 
 
 
【120807】 業務集中時間を設ける   

■執務中に電話がかかってきたり、話しかけられたり、来客があったりするとなかなか業務に集中できない。

■そこで、毎日午後1時30分から3時30分の2時間をQタイム(Quiet Time)とし、Qタイム中は電話の取り次ぎ、会議、来客、上司の業務指示など、仕事への集中を阻害する用件は入れないことをルール化した。


取材先 ベネッセコーポレーション
参考文献 労政時報1995/07/21
掲載 オフィス改善事例集
  
 
 
 【120808】 企画部門と編集部門から電話機をなくす  

■突然の電話、会議、打ち合わせは思考を中断させる。そこで、次のようにルール化した。
@企画部門と編集部門の机から電話をなくす。
A社員に代わって電話を取り次ぐフロアセクレタリーを配置する。
Bフロアセクレタリーにはあらかじめ各人の予定を知らせて置き、電話がかかってきたときは、フロアセクレタリーがコードレスフォンの子機を社員に渡す。
C社員が不在のとき、あるいはQタイムのときは伝言メモを渡す。
D社員が電話を発信するときは電話発信用ブースに足を運ぶ。

取材先 ベネッセコーポレーション
参考文献 労政時報1995/07/21
掲載 オフィス改善事例集
 
 
 
 【120809】 夢の新社屋を建てる   


■金属加工業、HILLTOPの山本昌作副社長は、2003年、工場の火災で全身に火傷を負い、生死の境をさまよった末に奇跡的に生還した。そのとき、あと3年生きられるとしたら何を残すべきかと考え、新社屋をつくろうと決心したという。

■大量生産の時代が退潮期に入った昨今、自分たちは、少量生産でも、単品生産でも確実に利益を生み出せる仕組み「HILLTOPシステム」を作った。そのことに誇りを持ってよく、その誇りを確かめられるような夢の新社屋を作ろうと考えたという。そして2007年5階建ての新社屋が完成した。

■南の壁面はピンクと黄色。それが青空の中にすっくと立っている。ガラス張りのエントランスから入って2階に上がると、広いオフィススペースがあり、ガラス越しに1~2階吹き抜けの工場スペースが見える。

■社員たちはいま、この社屋で力を合わせ、日々新しい仕事に挑戦している。最上階は京都府南部の山々を見渡せる食堂とラウンジがあり、みんなでくつろげる場になっている。そして、「HILLTOPシステム」と、その下での社員たちの仕事ぶりに関心を寄せる人たちが、全国から年間2000人、ここを見学に訪れる。

取材先 HILLTOP
取材2019/09/06

掲載先 リーダーシップ2019/11
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki221.html 

 
新社屋外観(左)と食堂に集まった社員たち
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