絵で見る創意くふう事典  》 第12章 組織  》 Iビジョンを示す
 
 TOP 編集のねらい 5S 安全 品質 作業 治工具 設備 省力 環境 コスト 事務 IT化 組織 お客様 社会 地域 探訪記 総目次 索引
 
組織‐1210 Iビジョンを示す BACKNEXT

一方的に与えられた目標に、人は反発を感じ、できればそれから逃れたいと思います。社員がその目標の達成のために自分の持っている力のすべてを投入しようという気持になるためには、目標の向こうにどんなビジョン、どんな理想を描くかが問題になります。掲げられた目標が一部の人たちに利益を与えるものでしかなければ、多くの社員の共感を得ることはできません。誰もが共感できる明確なビジョンを掲げ、そのビジョンへの信頼を築いた企業だけが、より多くの人の力を結集することが可能になります。

 このページの掲載事例→               ●121001 住友家法をまとめる  
●121002 全員参加で経営理念をつくる  
●121003 経営ビジョンを策定した新聞販売店  
●121004 社長自身が変わり、社員を変える  
●121005 夢の実現をめざして仕事に打ち込ませる  
●121006 経営理念を常時携行する
●121007 自分たちで仕事のビジョンをつくる
●121008 人間成長に重点を置いた経営理念
●121009 「経営理念」と「創業の精神」を社員1人ひとりに浸透させる
●121010 中国人従業員との「信頼の和」を経営理念に掲げる
●121011 お客様・社員・協力事業者・地域の喜びと幸せをかなえる
●121012 経営理念「環境負荷軽減」の浸透を図る
●121013 共通の経営理念を掲げ、みんなで力を合わせる
●121014 綱領・信条・7精神を定める
●121015 「おつとめ」で経営理念を唱和する
●121016 キーワードを設定、シルバー事務局と会員の活動を方向付ける
 
【121001】 住友家法をまとめる  

■住友家には、初代住友政友(1585〜1652)が書き残した「商事(あきないごと)は言うに及ばず候えども万事情(せい)に入れらるべく候」(商売はいうまでもないが、すべてのことについて心を込めて励むように)という事業心得があった。

■住友家総理代人となった広瀬宰平(18281914)は、それを整理し、1882年「住友家法」まとめた。その中には以下のような基本理念が定められている。
●信用を重んじ確実であること
●時代のニーズや経済上の損得を考えて、新規事業にも積極的にチャレンジしていくべきだが、かりそめにも浮利(目先の利益)に走らないこと

■これらは、その後の住友グループ各社の経営理念、行動指針として現代に受け継がれている。

取材先 別子銅山記念館
取材 2019/12/17
掲載先 リーダーシップ2020/02
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki224 

 
【121002】 全員参加で経営理念をつくる   


■金型部品の製造販売業、オネストンの佐々木正喜社長は、経営理念を明文化することの大切さを学び、それを実践するために、どんな経営理念がよいか、アイデアを出すよう社員に呼び掛けた。

■「返事はハキハキとキビキビと」「もっとコンピュータをうまく使いこなしたい」など、個人の行動目標のようなものが出てきた。さらに話し合うために、研修会を重ね、この会社をどんな会社にしたいかを話し合った。

■「幸せってどんなものだと思う?」と佐々木さんは投げかけた。「給料が高いこと」「休みが多いこと」「仕事がラクであること」「健康であること」…、いろいろ出てきた。「じゃあ、不幸だと感じるときは?」と聞くと、「給料が少ないこと」「仕事がきついこと」と、ちょうどその反対のことをみんな口々に言った。「仕事がラクでお金さえたくさん入ればいいのかな?」と佐々木さんは続けた。

■「仕事上の付き合いの仲間、家族親戚、友人知人など、私たちは3つのグループに属している。これらグループの中で自分だけ除け者にされたらどうなるかを想像してみて欲しい。

■逆に『あいつのことは忘れるなよ。こういう難しい仕事は絶対あいつでないとダメだ』とみんなから当てにされるようになれば、それこそが最も幸せな状態ではないか。会社もそうだと思う。オネストンに頼めば安心だ。安心して任せておける、そう言ってもらえる会社にならなければならないし、みんなでそういう会社を作っていきたい」

■そんな話し合いを経て、経営理念は「心の豊かさ、生活の豊かさを求め、社会に役立つことに喜びを感じ、幸せが得られる会社作りをめざす」とした。

20年以上を経たいまも、佐々木さんは、新入社員が入るたびにこの経営理念がどんな経過を経て生まれてきたかを語って聞かせ、「この経営理念は私たちの憲法です」と付け加えている。

取材先 オネストン
取材 2008/08/22
掲載 ポジティブ2008/11
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki072.html 

 ←オネストンの会議風景
 
 【121003】 経営ビジョンを策定した新聞販売店  

■新聞は再販制度により、新聞社が指定した価格で、新聞社が認定した販売店が決められたテリトリーの中で安定的販売されることになっているが、実際には豪華な景品をつけたり、何カ月分かの購読代金をサービスするなど、購読者獲得の激しい競争が行われている。

■再販制度を見直して新聞販売を自由化すべきとの声が高まっている。そこで、ASA栃木中央の松尾光雄社長は、自由競争を戦って行ける体力を身につけるために、地域の新聞販売店とともに経営品質を勉強し、次のような改革を行なった。

■次のような経営ビジョンを策定した。
「私たちは感謝と誠実な心でお客様に接し、社員や協力会社、地域社会すべての人々に喜ばれ、信頼される拠点ASAを目指します。私たちは読者と新聞社の架け橋として、1軒1軒のお宅に新聞と生活に役立つ情報・サービスをタイムリーにお届けすることで読者からの長期的な高い信頼を得ます」

■この経営目標に近づくために、配達・集金・営業について、何をどうすべきかをみんなで話し合い、仕事をマニュアル化した。例えば、配達→約束した時刻に間違いなく新聞を届ける/バイクを整備する/バイクの荷台が荷崩れしないよう新聞を縛る/事故を起こさないために、交通ルールを守る、交差点では左右を確認する…。

■新規顧客開拓のために手づくり情報誌を作成。テリトリー内全戸に手渡しすることをめざした。ヒゲそそり、ネクタイを締め、胸にIDカードを付けて、「私たちは新聞社と読者をつなぐ架け橋になりたいのです」と説明。留守宅にはポストに入れる。訪問結果は記録に残す。これを毎月地道に繰り返し、物による営業から人による営業を目指した。

■地域社会から認められ、信頼される会社になるために、
・毎月1回道路の清掃奉仕活動を実施/トラックで古紙を回収しロールペーパーと交換/収益金は緑化基金に寄付。後に栃木県販売店全体で実施。
・年1回フリーマーケットを開催。収益金の一部を地域の盲導犬教練所に寄付。後に埼玉・栃木・群馬の朝日新聞販売店全体で実施。

取材先 ASA栃木中央
取材 2006//21
掲載 ポジティブ2006/09
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki017.html

←フリーマーケットで挨拶する松尾社長
 
 【121004】 社長自身が変わり、社員を変える  

■「白醤油」「白だし」を製造販売する七福醸造のポリシーは、「企業は人なり」「お客様を第一に考える」「他社にない特色を出して差別化を図る」の3つである。「社員は社長の後ろ姿を見ている、社長が変わらなければ社員は変わらない」とのコンサルタントのアドバイスで、犬塚敦統社長は、自分を磨くことを心がけており、社員がそれにつづいている。

■そのために、次のような体験教育を実施している。
・毎朝トイレ・事務所・階段を磨く環境整備活動
・3日間機械を止めて実施する工場集中環境整備活動
・道路の空き缶、ゴミ拾い活動
・子どもたちや親たちと一緒になって行う学校のトイレ清掃活動
・社員全員で混声合唱団を編成。市民病院で慰問コンサートを開催
・地球村運動として、マイ箸運動・マイバッグ運動・・冷暖房節減・ゴミ削減。ノーマイカーデー・森林を守る運動を実践
・フロンガス回収活動などを実践

1993年から砂漠緑化活動に協力。社長と新入社員が内モンゴルまででかけて植林活動
100キロ歩け歩け大会。碧南市から三河湾沿いに伊良湖岬までの100キロを全社員で歩く。日常では経験することのない厳しさを克服する中で、自分自身の本当の姿を再発見する。

取材先 七福醸造
取材 2007/03/12
掲載 ポジティブ2007/0
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki037.html 

 ←100キロ歩け歩け大会
 
【121005】夢の実現をめざして仕事に打ち込ませる  


■ビルメンテナンス業、四国管財の中澤清一社長は、いい仕事をして、適正な料金をいただいて、十分な給与を払える会社にしたいと思い、社員の質を高めることに力を入れてきた。

■そのために1人ひとりが夢を持ち、いきいきと働ける会社をめざして「ベーシック」と名付けた行動基準を定めた。そこには「笑顔」「あいさつ」「報連相」…などとともに「夢を持とう」という1項を設け、「この会社で働くことは1人ひとりの夢を実現する手段だと考えてほしい」と訴えている。

■1人ひとりに「あなたの夢はなんですか」と問いかけると、「独立して会社をつくりたい」「マイホームを建てたい」「介護福祉士になりたい」…など、いろんな答えが返ってくる。

■「ベーシック」を定着させるために、朝礼では、夢、笑顔、あいさつ…などについて考えていること、反省点などを発言させる。

■掃除という仕事を、多くの人は恥ずかしいと思っている。そのままではいい仕事はできない。そこで、夢の実現をかけて汚れ役に取り組んでくださいと、言っている。そうすれば、自分の殻を破ることができ、お客様の賞賛を勝ち取り、やがて大きな自信につながっていくという。

取材先 四国管財
取材 2007/04/16
掲載 ポジティブ2007/07
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki040.html

 
 
 【121006】経営理念を常時携行する  

■福井キャノン事務機は、創立25周年を機に経営理念を見直した。それまでの「お客様を大切に」を一歩進め、お客様を最優先にしてお客様に価値を提供する、お客様から信頼され、地域から尊敬される会社になることを強く打ち出したものである。
 

■この理念の共有を図るために、名札の裏に経営理念を印刷し、全社員が常時それを携行している。

取材先 福井キヤノン事務機
取材 2005/11/18
掲載 ポジティブ2006/01
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki005.html

 
 
 【121007】自分たちで仕事のビジョンをつくる  


■スーパーホテルの山本梁介会長は、当初トップダウンの売上至上主義だった。しかし、組織が大きくなってくるとその限界に気付き始めたという。

■マニュアルと目標管理だけで人が動いていると心が通わない。最前線で問題が起きても、それに対応できない。その結果業績が下降線をたどり始める。これではだめだ。みんなが同じ価値観を持ち、自分で考え自分で動いてもらわない限り、組織としては脆弱なものだと気づいたという。

■そこで、従業員各層から選んだ10数人でフェイス委員会を編成した。「フェイス」とはお約束、信条、経営理念の意味。ホテル事業を通じて自分たちが何をしようとしているのかを次の様な文章に表した。
@私たちは常に『安全・清潔・ぐっすり眠れる』スペースを創造し、お客様第一主義を旨として、お客様に元気になっていただき、活力ある社会活動、経済活動をされるのに貢献します。
A現地現物主義に徹してお客様に満足していただくため、私たちはひたすらお客様の要求に合わせて自分を変えて行きます。
B世界的レベルでの質の高いサービスをグループを挙げて構築しながら、時代を先取りする創造的な企業をめざします。

■これを全店の朝礼で毎朝唱和させた。しかし、それだけでは浸透しない。そこで、1人ずつ順番に思うことを発表させた。発表するには、人の言葉に耳を傾けなければならない。その中身を咀嚼しなければならず、自ら考えて行動を起こさなければならない。従業員たちは進んで5Sに気を配り、お客様へのプラスアルファの声かけに努めるようになった。そして従業員からの提案が増えた。

■たとえば、ベッドの下の埃の掃除が大変だという話になったとき「それならベッドの脚をなくしたら」と掃除担当のパート従業員が提案した。それが採用されて、ほとんどの店舗のベッドから脚が取り外された。女性客にもっと来てもらうにはという話し合いのときには、女性客にレディスグッズとしてアシピタ、化粧水、入浴剤などのセットを提供するという提案が採用された。ちょっとした心遣いが女性客の感動を呼び、女性客の割合は一般のビジネスホテルの10%に対して、スーパーホテルでは20%に上った。

取材先 スーパーホテル
取材  2010/08/30
掲載  リーダーシップ2010/11
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki104.html

 
↑朝礼風景(左)と従業員提案で生まれたレディスグッズ(右)
 
【121008】人間成長に重点を置いた経営理念

トンコツラーメンチェーン、一蘭の吉冨学社長が海外出張の多かったとき、国内の経営を専務に任せていたが、あるとき彼の仕事がまるで出鱈目だったことに気付いて、彼を責めた。すると、彼は30人の社員を引き連れて会社を去ってしまった。

■吉富さんは何もかも信じられなくなり、死のうと思って遺書までしたためたが、思い直して、心の本、宗教の本、ビジネス書を読み漁り、商売の成否を決するのはお金ではない。人の心だと思うようになった。

■そして、次のような新しい企業理念を打ち立てた。

・従業員の心を大切にし、幸福度を高めます。

・人間性を高め、人間成長を求めて生きます。

・すべての目標や行動は欲ではなく、愛で行ないます。

・常に勤勉で知恵を絞り、緻密な研究心を持ち続けます。

・会社・商品・個人のブランド価値を高めます。

■店舗運営の中心となるアルバイトたちは採用されると、人の悪口を言わない、人と強調する…など人間教育に重点を置いた160時間に及ぶ研修を行っている。また、アルバイトたちのライセンス制度を整備。ノウハウをマスターするごとに11の処遇段階を上がっていき、最上階は契約社員となり、その後、本人が希望すれば正社員に登用される。

取材先 一蘭
取材 2013/12/13
掲載 リーダーシップ2014/02
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki153.html


↑店舗外観、カウンター、ラーメン、研修風景
 
【121009】「経営理念と」と「創業の精神」を社員1人ひとりに浸透させる  

■高品位ナットなどファインパーツメーカーの西精工(徳島県徳島市)の西泰宏社長が社長後継者として入社した時、社内には仕事は給料分だけやればいいという空気があった。西さんは挨拶運動やお掃除運動を通じてその改善を目指すとともに、社員に「〜すべき」「〜しましょう」と求める前に会社として社員に何をしてあげるかということが大切、という先人の教えに倣って、2006年、次のような経営理念を作った。
[ミッション]高品質・高機能のパーツ・ナットの創造を通じて社会に貢献する。
[ビジョン]人づくりを基点に創造力・技術力ナンバーワン企業を目指す。

■2代目社長の父から、西さんの祖父で創業者の「創業の精神」が「人間尊重の精神」「お役立ちの精神」「相互信頼の精神」「堅実経営の精神」「家族愛の精神」の5つであったことを確認。以下のような方法で「経営理念」と「創業の精神」の社員への浸透を図った。

@「経営理念」と「創業の精神」について西さんの考え方を毎朝社内メールで発信。それに対する返信を社員に求めた。
A3〜4年分のそのやりとりの中から「西精工として大切にしたいこと」を200のフィロソフィーとしてまとめた。
B毎日のたっぷり1時間の朝礼で200のフィロソフィーについてグループに分かれて話し合い、職場の意見をまとめ、その中からビジョン創生委員会が新しいビジョンを提示。現状との差を埋めるための行動目標をまとめる。
C社員はそれぞれの行動目標を「私の幸福感」「ミッションステートメント」「私の役割」「信条」「死ぬまでにやりたいこと」などとしてA4・1枚にまとめ、各職場に掲示する。

取材先 西精工
取材 2014/02/13
掲載 リーダーシップ2014/04
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki155.html


↑西精工の製品。朝礼風景、社員各人の「行動目標」掲示板
 
【121010】中国人従業員との「信頼の和」を経営理念に掲げる   


■大阪ウェルディング工業(大阪府茨木市)は2001年に上海郊外に現地法人を設立。魚谷禮保社長は上海駅前で「日本企業創業。旋盤工、フライス盤工募集」と書いたポスターを掲げ、職を求めて田舎から出てきた人たちを採用した。

■日本の常識では計り知れない様々なことが起こった。いつもきれいな手袋をはめるように、自由にとれるところ置いた250枚の手袋は3日間でなくなった。工具を盗んで転売する者もいた。調べてみると、魚谷さんがその技術を高く評価して班長に取り立て、残業代まで含めて月3000元稼いでいた人物だった。奥さんがお腹が大きくなり仕事を続けられなくなって、ローンを払えなくなり、つい…と彼は言った。

■「いくらあればローンを払えるのだ?」と聞くと4500元だという。「それなら月に4500元分働け」と言って、仕事のレベルを上げ、計画残業させた。すると、他の社員も彼と一緒になって頑張るようになり、生産は飛躍的に向上した。

■3人に作業でミスをして、20万円相当の部品を台無しにし、会社に損害を与えた者もいた。「3人の月給から1人月500元ずつ罰金を払わせ、自分は月1000元の罰金を支払います」と中国人工場長が言った。

■魚谷さんは一晩考えてからこういった。「3人に罰金を払わせたら田舎への仕送りができなくなる。罰金は月200元でよい。今後1カ月間に同じミスをしなければその200元は返す。部下がミスするたびに工場長のキミが1000元を出していたら、キミの生活が成り立たない。1000元は出さなくていい。これを機に、ムリな工程を改善しよう」

■魚谷さんが出した結論は中国人たちを大いに感激させ、そうした積み重ねの中から「信頼の和」が作られて行った。以後、毎朝の朝礼で次のような経営理念をみんなで唱和している。
「信頼の和を広げ、豊かな職場をつくろう」「社会貢献度の高いモノづくり、顧客満足度の追求、利益配分の調和…を実践しよう」

取材先 大阪ウェルディング工業
取材 2014/08/07
掲載 リーダーシップ2014/10
探訪記 
http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki161.html


↑上海駅前で求人ポスターを掲げる魚谷社長、中国東栄工場の内部
 
【121011】お客様・社員・協力事業者・地域の喜びと幸せをかなえる    


■びわこホームは「
お客様・社員・協力事業者・地域、4つのの喜びと幸せをかなえる」ことを経営理念に掲げている。

■上田裕康社長は、このうち「社員の喜びと幸せ」が最も重要なものと考えている。「社員の喜びと幸せ」なくして他の3つの実現はない。また、「社員の喜びと幸せ」を実現するには、会社は途中で倒れてはならず、永遠でなければならない。そこで「日本一強い企業を目指す」という会社のビジョンが生まれた。

■毎朝の朝礼では、この使命とビジョンについて1人ひとりが順番に決意表明している。また、毎朝7〜8時の早朝勉強会では、宅地建物取引主任塾、不動産コンサルタント資格塾、営業指南塾などが開催されている。

取材先 びわこホーム
取材 2014/11/13
掲載 リーダーシップ2014/12
探訪記 
http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki163.html

 ←社員の表彰
 
【121012】経営理念「環境負荷低減」の浸透を図る    

■古紙を原料にしたクレープ紙のメーカー山陽製紙は、クレープ紙に食品廃棄物をリサイクルした炭を加えた消臭材シートを開発したり、使用済みのコピー用紙を封筒・名刺・便箋・メモ用紙などにリサイクルする事業によって、「環境負荷軽減」をテーマとした新たな道を歩み始めた。

■創業50周年を迎えた2007年、原田六次郎社長と幹部は、会社が世の中から支持を受け、社員が力を合わせていくために、次の経営理念を掲げることを決めた。「私たちは紙づくりを通してお客様と喜びを共有し、環境に配慮した循環型社会に貢献します」

■この経営理念の浸透を図るために、次のような取り組みを行っている。
@50年間の会社の歩みを劇画風の社史に仕立ててホームページで公開。みんなで共有した。
A社長を含む社員全員で、会社に隣接する2級河川「男里川」の清掃奉仕活動を始めた。
B社員全員が全社的な視野の下で何らかの役割を担うこととし、次の6つの委員会活動を開始した。
理念委員会/業績アップ委員会/3S(整理・整頓・清掃)委員会/ゼロエミ委員会/創客委員会/ES(従業員満足)委員会。
C環境についてもっと勉強するために、社員全員が参加して、エコ検定、CSR検定への挑戦を始めた。

取材先 山陽製紙
取材 2019/04/09
掲載先 リーダーシップ2019/06
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki216.html

  
HPの劇画社史の一場面(左)と男里川清掃奉仕活動
 
【121013】共通の経営理念を掲げみんなで力を合わせる    


■(株)リゲッタの高本奏朗(やすお)社長は、多くの困難の末に「リゲッタ」という靴を生み出した。これが市場で空前のヒットとなり、正社員とパートを含めて100人の会社にまで急成長した。

■家族経営の会社から社員みんなの会社への転換を図るために、みんなで合宿を重ねた。「リゲッタ」が生まれるまでのいきさつ、親会社からの一方的な請負契約破棄、オリジナルデザインへの挑戦、コピー商品の氾濫、量販店市場から通販市場への転身、そして大幅受注拡大…など、これまでの歩みを全員で共有し、その中からというこれからのみんなの目標として「楽しく歩く人をふやす」という経営理念を掲げた。

■いま、(株)リゲッタは、この「楽しく歩く人をふやす」という理念の下で、みんなが力を合わせ、「リゲッタ」の世界ブランド化をめざしている。

取材先 リゲッタ
取材 2020/10/01
掲載 リーダーシップ2020/12
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki234.html

←「リゲッタ」の靴
 
【121014】綱領・信条・7精神を定める      


■企業は世間から人とお金を預かって仕事をし、世間に対して何らかのものを返していくべき義務を負っている…と松下幸之助は考えていた。

1929年にこれを明文化し「営利ト社会正義ノ調和ヲ念慮シ、国家産業ノ発展ヲ図リ、社会生活ノ改善ト向上ヲ期ス」という綱領と「向上発展ハ各員ノ和親協力ヲ得ルニ非ザレバ得難シ 各員至誠を旨トシ各員至誠ヲ旨トシ一致団結社務ニ服スルコト」という信条を制定した。

1932年には、産業人の真の使命は人々が求める物資を提供することにより、この世の中から貧困をなくすことであると宣言。真の使命に気づいたこの年を「命知元年」とし、以後、この使命を達成するために、建設に10年、活動に10年、貢献に5年、合わせて25年を1節として、それを10回繰り返すと宣言した。

■そのために従業員1人ひとりが遵奉すべき精神として、1933年には、産業報国、公明正大、和親一致、力闘向上、礼節謙譲の5精神、後に、順応同化、感謝報恩を付け加えた7精神を制定。

■綱領・信条と7精神は、毎日の朝会で唱和され、その伝統は、海外事業場まで含めて、パナソニックの多くの事業場で今も続いている。 

取材先 松下幸之助歴史館
取材 2020/11/18
掲載 リーダーシップ2021/01
探訪記 http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki235.html


↑綱領・信条・7精神(松下幸之助歴史館)
 
【121015】「おつとめ」で経営理念を唱和する        

■「祈りの経営」を展開するダスキンでは、従業員は「働きさん」と呼ばれ、給料は「お下がり」と呼ばれ、「おつとめ」と呼ばれる朝礼と夕礼がある。そこでは下のような経営理念を唱和して1日の仕事を始め、終える。

■創業者、鈴木清一は「祈りの経営」について、「私たちのビジネスは人に喜ばれ、世の中のお役に立つものでありたいと模索し続けます。取引は愛情と誠実で結ぶものでありたいし、何よりも拝み合うものでありたいのです」と語っている。

取材先 ダスキン
取材 2021/02/08
掲載 リーダーシップ2021/03
探訪記 
http://www.souisha.com/tanbouki/tanbouki237.html
 
 
【121016】キーワードを設定、シルバー事務局と会員を方向付ける       


■豊橋市シルバー人材センター(会員数1500人)の酒井通弘会長は、職員と会員の意識を集中し、新しい課題に取り組むために、毎年キーワードを決めて発表している。

2011年のキーワードは「報告・連絡・相談」、2012年は「動」、2013年「考動」、2014年「実動」、2015年「2+1」、2016年「2増1減」と続いた。その下で地域班の再編、ソーイング独自事業、感謝祭、ボランティア活動、福祉施設の指定管理受託、ワンコイン事業、派遣事業、空き家管理…などに取り組んできた。

■ちなみに「2+1」の「2」は、「会員増」と「仕事増」。センターはこの2つを求め続けてきたが、「安全・安心」の「+1」が必要だという。単に「会員増」と「仕事増」を求めてもうまく進まない。会員と発注者の「安全・安心」という「+1」のメリットを追求しないと「会員増」と「仕事増」は手に入れられないという意味である。

取材先 豊橋市シルバー人材センター
取材 2017/02/24
掲載 月刊シルバー人材センター2017/06 

 
  ←草刈機講習会場に掲げられたポスター 
 ▲ページトップへ