絵で見る創意くふう事典  》 第15章 地域  》 解説 「地域」とは
 
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地域‐1500  BACKNEXT
 解説   「地域」とは 

私たちは、仕事と家族と地域に人間関係を持ち、それに支えられながら生活しています。その中で最も優先されるのは仕事上の人間関係で、逆にどうしても優先順位が低くなってしまい勝ちなのが地域です。仕事の報酬なしに個人の生活は成り立たず、従って働く時間も場所も仕事によって規定されることになり、その結果、ほとんどの時間を仕事のために割き、わずかな余暇は自分のため、あるいは家族と過ごす時間に費やすことになります。地域との関わりに費やす時間の余裕はあまり残っていないのが多くの現代人の現実です。

経済活動が地域の狭い範囲で行われていた時代には、地域は十分な活力を持っていました。そこには田畑があり、小さな漁港があり、商店街があり、小さな町工場がありました。人々は地域との関わりの中で仕事を持ち、生活していました。互いに顔見知りで、ごく当たり前に挨拶を交わし、言葉を交わす中で、互いの人柄もよくわかり、そんな中にいることで、1人ひとりは社会とつながった自分自身を認識していました。子供たちは地域の人間関係の中で大きくなり、高齢者は地域の中で一定の役割を持ち、大切にされていました。

しかし、市場競争が激しくなり、企業活動が全国規模あるいはグローバル規模で展開されるようになって、地域に根差した産業がひとつひとつ消えて行き、地域の仕事が減っていきました。若者たちは都会に移り住み、お金のために働き、お金を媒介にした関係の中だけで生きるようになりました。そこにあるのは、競争を勝ち抜くための非情な合理主義とお客さまを惹きつけるという目的のために構築された虚飾に満ちたイメージの世界です。しかし、人生はそんな中だけにあるのだろうか。金銭を越えた人間関係を知らないまま一生を終えてよいのだろうか。企業を定年退職し、仕事上の人間関係から離れると、多くの人がそんなことを考えるようになります。

全国各地のシルバー人材センターでは、現役を退いたシルバー世代が、わずかな報酬を得ながら、ときには全くの無償のボランティア活動として、失われようとしている地域を取り戻す活動を展開しています。この章では各地のシルバー人材センターの取材の中から、シルバー世代の手で人と人とのつながりを取り戻し、地域をもういちど元気にしようとする取り組みを紹介します。

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