絵で見る創意くふう事典  》 第15章 地域  》 派遣事業
 
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地域‐1510 地域密着型事業を起こす…E派遣事業 BACK

 このページの掲載事例→                     ●151001 市税関係書類の整理作業  
 ●151002 派遣登録希望者説明会を開催 
 ●151003 請負契約から派遣契約への切り換え
 ●151004 仕事を切り分けシルバー派遣の範囲拡大
 ●151005 シルバー派遣事業を拡大
 
【151001】 市税関係書類の整理作業  

■岡山市シルバー人材センターは、10年以上前から市税関係書類の整理作業を岡山市役所から受託していた。確定申告書類などを50音別に分類し、順番に並べ替えるなどの仕事で、そのほか医療レセプトの整理、公共刊行物の封入・仕分けなどを合わせて、260人の事務班が担当し、契約金額は年間1000万円近くに上った。

■これらの仕事について、2004年の高齢法改正でシルバーが派遣事業を行なえることになったのを機に、市役所はこれまでの請負契約を派遣契約に切り替え、競争入札を実施するとの通告してきた。

■シルバーの派遣事業は、県連合会が派遣元事業主となり、センターが実施事業所となるが、このときまだ体制ができておらず、1年の猶予を申し出て市役所がそれを了承。センター事務局長が派遣元責任者講習を受講。受講証明書を添えてセンターは連合会へ必要書類を提出。2005年、連合会が岡山労働局に派遣事業開始の届け出を行った。

■その後、岡山市役所は、市税関係書類の整理作業について競争入札により派遣契約を尾結ぶことを公表し入札参加事業者を募集した。入札に参加したのは6社。従来の配分金単価は時間当たり693円だったが、シルバーは賃金単価を最低賃金ギリギリの650円に設定し、この額は他の5社を下回り、結局シルバーが落札した。

取材先 岡山市シルバー人材センター
取材 2007/03/20
掲載 
月刊シルバー人材センター200706

 ←岡山市役所の文書整理業務
 
【151002】 派遣登録希望者説明会を開催  


■受託契約によって会員を企業で就業させていても、企業には指揮命令権を確保したいと考える場合があり、会員ももっと安定的継続的に働きたいと考える場合がある。また、企業に対して行ったアンケート調査の結果で、パソコンなどの事務系技能を持った人がいれば活用したいと答えた企業が少なくなかったが,企業活動の内部に関わる事務系業務をそれだけ切り離して受託事業として請け負うことは難しかった。

■高齢者雇用安定法(高齢法)の改正でシルバーが派遣事業を行なうことができるようになったとき、派遣契約によって会員を就業させれば、こうした問題を解決できると考え、松山市シルバー人材センター(愛媛県)は真っ先に手を挙げ、県連合会を通じて実施事業所の届けを出した。

20057月には、派遣登録希望者説明会を開催。集まった238人に対して、どんな仕事が向いているかを判定する適性診断を実施。個別面談を行い、自分が何をしたいのか、何ができるかを見極めて希望職種を申告させた。最初の登録者は98人だった。

■シルバー派遣の最初の仕事は20059月から始まり、印刷会社からの印刷物の封入の仕事、経理事務、ホテルの調理場などに就業。その後、派遣登録会員、派遣先は徐々に広がっている。

取材先 松山市シルバー人材センター
取材 2007/03/26
掲載 
月刊シルバー人材センター200706

 ←印刷会社での印刷物封入の仕事
 
【150903】 請負契約から派遣契約への切り換え  


■広島県大竹市は臨海部に石油、化学、製紙などの大手の工場があり、そこを定年退職した人たちの多くが大竹市シルバー人材センターの会員になっている。会員の多くは、従来、請負委任契約によって市内各企業で就業していたが、指揮命令を受けたり、先方の従業員と混在して作業する場合は偽装請負とみなされる場合があることから、2007年、県連合会によるシルバー派遣導入後、発注者企業に派遣契約への切り換えを申し入れた。

■請負契約の場合の事務費は配分金の10%、派遣手数料は派遣賃金の20%+消費税…と割高になることから、切り替えが拒まれ、関係が切れる場合もあったが、グレー部分をあいまいにすることなく、理解と協力を求め、さらに2011年からは請負契約の事務費を20%に引き上げ、必要な場合には迷わず派遣契約を締結できるようにした。

その後請負契約は低減。派遣契約による就業が増えており、現在は次の様な仕事で派遣契約の下で行われている。

工場の衛生管理と自動バルブの点検/下水処理場の汚泥脱水処理業務とし尿処理運転管理業務/大竹港湾事務所での受付事務/デイサービス利用者の送迎業務と内務業務/水源地施設運転管理業務/公民館等公共施設の受付業務/授産施設での指導員の補助と障害者の身の回りの世話/一般老人ホームと特別養護老人ホームの夜間受付業務/弥栄ダム宿泊施設の施設管理業務

取材先 大竹市シルバー人材センター
取材 2014/10/21
掲載 
月刊シルバー人材センター201412

 
【151004】 仕事を切り分けシルバー派遣の範囲拡大  


■米子広域シルバー人材センター(鳥取県)では、発注者と事務局が事前に調整して、フルタイマーが担っている仕事の一部を切り分け、マニュアル化、単純化することで、複数の会員にローテーション就業させ、シルバー派遣の適用範囲を増やしている。例えば、次のような例がある。 

■病院での洗濯とシーツ交換業務… シーツの洗濯は専門クリーニング事業者に依頼。従来看護師が行っていたシーツの交換をシルバー会員が行っている。 

■宿泊施設の仲居業務… 皆既温泉の宿泊施設では、従来仲居が厨房で盛り付けた料理を食事室まで運んで配膳し、お客様が席についてから給仕していたが、このうち、食事室の前まで運ぶ仕事をシルバー派遣に切り替えている。 

■コンビニの品出し業務… コンビニ従業員の仕事はレジや公共料金の収納などのネット関連業務が大きな割合を占める。そこで、あるコンビニ店ではレジ以外の周辺業務をシルバー派遣に任せている。シルバー会員はストックヤードに搬入された入荷商品を陳列棚に並べ、ヤードを片付け、周辺の清掃業務を担当している。 

取材先 米子広域シルバー人材センター
取材 2017/01/30
掲載 
月刊シルバー人材センター201704

 ←入会希望者に対する仕事の説明会
 
【151005】 シルバー派遣事業を拡大   
 

■徳島市シルバー人材センターは2011年から偽装請負の疑いのある仕事を派遣契約に切り替えたが、受託契約の10%の事務費に対して派遣手数料は20%+消費税と割高であることから、一部の発注者には契約切換に応じてもらえず、企業からの多くの契約を失った。しかし、仕事を任せてしまう受託契約よりも、きめ細かく指揮命令できる派遣契約の方が企業にとっては使い勝手がよく、今後は派遣契約が伸びると判断し、派遣事業拡大に向けて戦略的に取り組んだ。

■先ず、受託契約にかかわる事務局業務を軽減するために、会員3人を「就業提供員」として雇用。受託業務にかかわる電話応対、受注入力、会員の人選と就業提供に当たらせた。

■他方で、派遣業務を積極展開するために、営業経験のある会員2人(後に3人、その後5人に増員)を「就業開拓員」として雇用。企業を対象とした派遣契約にかかわる営業活動と就業会員の悩みの相談に当たらせた。

■事務局職員は業務全体の管理と企画に当たることとし、毎週の「業務進捗状況打合せ会」で就業開拓員の活動を確認。毎月の「就業開拓戦略会議」で市場ニーズと会員の希望を踏まえて効果的な就業開拓先を選定。さらに年4回の「就業開拓促進委員会」で就業開拓の基本方針を決めている。例えば、受託事業の発注者からのクレームに対応して接遇研修を実施、派遣事業の発注者の要望にきめこまかく対応するために、会員の能力や資格をデータベース化する…などの方針を決めた。

取材先 徳島市シルバー人材センター
取材 2017/08/28
掲載 
月刊シルバー人材センター201711

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