改善の事典  》 第6章  設備  》 段取改善で設備停止時間をミニマム化する
 
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i設備-0603 段取改善で設備停止時間をミニマム化する  
工場で作っている生産品目を切り替えるとき、治工具や金型、刃具などの片づけ、取替え、調整、清掃などの段取りのためにラインを止める必要があります。しかし、その段取りを前もって済ませておけばライン停止時間をミニマム化できます。ここではそんな改善事例を紹介します。
このページの掲載事例→                 ●060301 カットシールテープを両面テープで貼りあわせる   
 ●060302 ブラケットアームのガタを直す
 ●060303 ラベル供給をカセット化する
 ●060304 コネクターカバーの破損を防止する
 ●060305 溶鋼鍋の底に鉄球を入れる
 ●060306 レール交換時間を短縮する
 ●060307 チューブ交換時間を短縮する
 ●060308 パレット交換時間を短縮する
 ●060309 種類の異なる金型をまとめる
 ●060310 金型交換台車を作る
 ●060311 プレス材料供給装置の段取替えを自動化する
 ●060312 プレス機の段取替を自動化する
 ●060313 鉄砲隊を3組に分け射撃の間隔を縮める
 
【060301】カットシールテープを両面テープで貼り合わせる
 [改善前]
チュ−イングガムの包装工程でカットシールテープを交換するとき機械を停止させ、セロテープで包むように貼り合わせていたが時間がかかった。



 
 [改善後]
カットシールテープの端に両面テープの片側のシールをはがして予め貼っておき、交換時にもう一方の面に旧資材を貼るようにした。




取材先 ロッテ
取材 1983 

掲載先 創意とくふう 1983/04 
 
 
【060302】ブラケットアームのガタをなくす  
[改善前]
プレス機間でワークを搬送するときロボットアームの先端に取り付けた図のような吸着装置でワークを吸着する。この装置をロボットアームに取り付けるブラケット部分はテーパになっていて少しの摩耗でガタが大きくなり、ワークの位置ズレが発生しその都度ロボットのティーチング(位置調整)に時間がかかった。

[改善後]
ブラケットをテーパ型からストレート型に変えた。これによってガタがなくなり、位置ズレがなくなって、ロボットのティーティング時間が短縮された。



取材先 クラタ
取材 2000/06/27 

掲載先 プレス技術 2000/09






 
 
 
 【060303】ラベル供給をカセット化する  
 [改善前]
ラベル供給装置に手でラベルを入れていた。










 
 [改善後]
ラベル供給をカセット化し、予め用意しておいたものを取り付けるようにした。




取材先 アサヒビール吹田工場
取材 1983 

掲載 創意とくふう1983/11 



 
 
【060304】コネクターカバーの破損を防止する  
[改善前]
圧延機の段取替えをするとき、圧延機を近づけると駆動側の開閉ガイドが圧延機側のピンを押してコネクターを覆うカバーが開く。ところが開閉ガイドが曲がっていると、カバーが開かずに破損し、段取替えの時間が長引くことがあった。














 
[改善後]
開閉ガイドを圧延機側にとりつけ、駆動側には大きくて壊れにくい当板だけを取り付け、カバーの破損を防止した。




取材先 神戸製鋼所神戸製鉄所
取材 1986/12/02

掲載先 ThinkUp 1987/02







 
【060305】溶鋼鍋の底に鉄球を入れる  
[改善前]
溶鋼鍋の底は砂で栓をしているが、下フタを取ってもなかなか落ちなかった。








 
[改善後]
砂の中にあらかじめ鉄球を入れておくことにした。下フタをとれば鉄球が落ち砂が崩れ落ちる。



取材先 日新製鋼呉製鉄所
取材 1983

掲載先 創意とくふう 1983/09 
 
 
【060306】レール交換時間を短縮する  
[改善前]
レールの上の研磨機はアール部分を研磨するとき短い往復運動を繰り返す。このために常にレールの一部分が摩耗し、しばしばレールを取り替えねばならず、レール全体を取り替えるには研磨機を持ち上げねばならないので時間がかかった。







 
 [改善後]
レールの最も摩耗しやすい部分だけを切り取って、この部分だけ交換できるようにした。




取材先 京都機械工具
取材 1996/06/14

掲載先 燃えよリーダー 1996/08 
 
 
 【060307】チュ−ブ交換時間を短縮する  
[改善前]
カーエアコン用チューブの製造工程でリール材がなくなるとチューブを切って機械の中に残っているチューブを手で引き抜かねばならず、リール交換に時間がかかっていた。




 
[改善1]
チューブを手で引き抜くのはチューブの端の形が規格通りでなくローラーの間隔より薄くなっていて、ローラーで送れないためだった。そこで、抜き取り時にローラーの間隔を狭められるように設備を改良した。


 
[改善2]
リール交換に時間がかかるもうひとつの原因はチューブが切断部手前で入口ガイドに当たって詰まりが発生することだった。そこで、入口ガイドの手前でチューブを指で押し上げるとデンデン虫のように渦巻状に丸くなることに気づき、図のようなデンデンガイドを取り付けて送り出したチューブをコンパクトに巻き取れるようにした。



取材先 デンソー
取材 1997

掲載先 燃えよリーダー 1997/02
 
 
 【060308】パレット交換時間を短縮する  
[改善前]
プレスの終わった製品は金網製パレットに入れ、フォークリフトが空のパレットを持ってきて、いっぱいになったパレットを搬出していた。しかし、プレスのスピードが上がると、その方法ではパレットの交換が間に合わなくなった。






 
[改善後]
パレットをレールの上に乗せ、フォークリフトがいっぱいになったパレットを搬出すると、空のパレットがシリンダーで押し出され自動的に積込作業者の前に来るようにした。



取材先 クラタ
取材 2000/06/27

掲載先 プレス技術 2000/09



 
 
 【060309】種類の異なる金型をまとめる  
[改善前]
3種類の部品を成型するために3種類の金型があり、その取替えに時間がかかった。















 
[改善後]
3種類の金型を組み合わせてセット型の金型を作り金型交換の手間を省いた。




取材先 内外電機製作所岐阜工場
取材 1987

掲載先 ThinkUp 1987/11 









 
 
 【060310】金型交換台車をつくる  
[改善前]
金型棚とプレスの間に距離があり、その間の金型の運搬にフォークリフトを使用していた。そのため、金型交換の際にはその都度フォークリフトで運ばねばならず、次に使う金型を予め段取りしておくことができなかった。

[改善後]
図のような金型交換台車を作った。これにより、台車に予め金型をセットしておき、金型交換時にはレールに沿って台車をプレス機の前に移動し、プレス機から突き出たガイドに沿って金型を押し込むことでワンタッチで金型交換ができるようになった。



取材先 朝日ナショナル照明
取材 1999/05/24
掲載先 プレス技術 1999/09 
 
 
【060311】プレス材料供給装置の段取替えを自動化する  
[改善前]
プレス材料の鉄板を材料供給装置にセットするとき次のような段取替えが必要だった。
@リフトで材料の位置を決める。
Aスライドテーブルをマガジンまで移動する。
B材料をマガジン上部まで上昇させ分離させる。








 
[改善後]
図のような装置で自動的に材料を供給し位置決めできるようにした。
@リフトで材料をコンベアに載せると材料は吸盤の下まで流れていく。
A材料を1枚ずつ吸盤で吸い上げてフリーローラーの上に落とすとフリーローラーが斜めに傾いて材料は自重で滑り、ストッパーに当たったところで位置決めができる。材料をプレスに送るときはフリーローラーは水平位置に戻る。
B材料の位置を変更するときは図のピンの位置を変更するだけでよい。




取材先 ダイキン工業滋賀製作所
取材 1998/11/09
掲載先 TPMによる利益を生み出す体質づくり (1999)
 
 
 【060312】プレス機の段取替えを自動化する  
 [改善前]
プレス加工工程の段取替え時、クランプを手ではずし、重い金型台車を人力で移動させていたので、時間がかかっていた。 










 
[改善1]
金型台車の位置決めを簡単にするためにプレスに光電管、金型に反射板を取り付けて自動的に定位置で停止するようにした。 









 
[改善2]
金型投入、取り出し、位置決めを次のような機構で自動化した。  
 
[改善3]
クランプ治具の脱着を次のような機構で自動化した。 
 
取材先 ダイキン工業滋賀製作所
取材 1998/11/09
掲載先 TPMによる利益を生み出す体質づくり (1999) 
 
 【060313】鉄砲隊を3組に分け射撃の間隔を縮める  

■火縄銃による射撃の手順は次のようなものだった。まず、筒先から火薬と弾丸を入れる。火皿に着火薬を載せ火蓋を閉じる。火縄を充填する。火蓋を切りねらいを定める。引き金を引くと火縄の火が着火薬に点火して発射する…。これだけで約20秒。射程距離は80〜90メートルだから、1発を撃って次の1発を撃つまでの20秒の間に、騎馬武者が突進してくればひとたまりもなかった。

■そこで、織田信長は武田勝頼との長篠の戦で、馬防柵で守られた位置に3000人の鉄砲隊を配した。これを1000人ずつ3組に分け、他の組が弾込めしている間に次々繰り出して武田の騎馬隊を破った。後方で段取りを済ませ、交代で前面に出ることで、時間ロスを少なくし、射撃の間隔を縮めた。

■「三段射法」と呼ばれるこの戦法は、騎馬戦法を鉄砲主体の集団戦に一変させた。この話の起源は江戸時代の初めに小瀬甫庵が書いた「信長記」とされるが、それ以前に書かれた「信長公記」にはこの記述はなく、小瀬甫庵の創作だともいわれる。

掲載 創意とくふう  1983/09
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