改善の事典  》 第14章 社会  》 解説
 
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社会‐1400 解説 BACKNEXT
解説  社会貢献のくふう 
 

■人が仕事をするのは、最初はお金のためかも知れません。しかし、人は仕事を通じて自分以外の人と関係を築き、世の中への関わりと理解を深めます。

■世の中への理解が深まれば、1人ひとりはお互いにつながっていることが見えてきて、そのつながりの中で自分の果たすべき役割が明らかになっていきます。その過程でお金は目的から手段へと位置づけを変えます。

■この章では、企業経営者や歴史上の人物がどのようにして、社会とのつながりを深め、その中での自分自身の価値を高めてきたかをまとめます。

■一部の人たちは、まだ若いころから、自分の存在を価値あるものに高める努力を始めています。例えば、豊田佐吉翁は少年時代から発明発見によって社会の役に立ちたいと考えていました。安田善次郎翁は13歳のときに御用金を持参した両替商の手代に、藩の勘定奉行が丁重に頭を下げる様子を見て、自分も「千両分限者」になると心に決めて、江戸をめざしました。

■困難を克服する中で自分の使命を発見した人少なくありません。例えば、クボタの創業者、大出権四郎翁は、地租改正による重い税負担に苦しむ両親を見て、自分は西洋鍛冶屋になって℞両親にラクをさせるのだと決意し、14歳で因島から大阪に渡りました。シャープの創業者、早川徳次翁は生まれてすぐに養子に出され、過酷な幼年時代を送りましたが、そこから這い上がってシャープペンシルを発明。その事業も震災で失った後、再起して今日のシャープを築きました。

■事業が軌道に乗り、余力が生れてくると、経営者の多くは事業の周辺領域でも社会貢献を行っています。人を雇用することもそのひとつ。とくに障害など就労困難な事情を抱えた人たちに働く場を提供して社会参加の機会を提供することは、それだけ貢献度の高い行動と言えます。

■このほか、地域への貢献、次世代の育成、文化の発信など、この章では社会の発展に貢献する様々な創意・工夫・改善・改革事例を紹介します。


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