ガソリンスタンドをエコステーションに変える

■ガソリンスタンドは車にガソリンを売る。その車が大気中に大量のCO2を放出する。ガソリンスタンドはまた、洗車に際して大量の水を使う。交換したタイヤを不法投棄する同業者さえいる。

■我々は環境に負荷を与えながら仕事をしている。もっと環境によいことをしたい…と考えた油藤商事（あぶらとうしょうじ・滋賀県豊郷町）の青山裕史専務は、自社のスタンドに空き缶の回収ボックスを置くことにした。空き缶を持ってくるついでに車にガソリンを入れていく人が多く、意外な販促効果を生んだ。回収対象はやがて、瓶、ペットボトル、古紙などへと広がり、青山さんはガソリンスタンドはエコステーションとしての役割を担うべきだと確信した。

■天婦羅油の廃食油の精製施設を導入し、廃食油を回収するようになったことが、エコステーション化をさらに推し進めた。廃食油のリサイクルに協力したいというレストラン、食堂、惣菜部門を持つスーパー、従業員食堂を持つ大企業や公共機関などに協力を求め、そこで出た廃食油を回収し、それを精製してバイオディーゼル燃料に変え、それぞれの物流トラックや送迎バスの燃料として使ってもらう。そのサイクルを作り出すことに成功した。

■現在の廃食油回収の範囲は滋賀県内が中心だが、それを他の地域にも広げるためにすべての情報を公開しており、豊郷町のガソリンスタンドには全国のガソリンスタンド経営者が見学に訪れている。

●　本文　→　aburatou.pdf

●油籐商事のURL　→　http://www.aburatou.co.jp　

●掲載先　→　リーダーシップ　2013年６月号
（発行元・日本監督士協会のＵＲＬ：http://www.kantokushi.or.jp/）