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ネット版 改善改革探訪記 №233 BACK  

賀川豊彦が立ち上げた生活協同組合とその後の発展ut

 賀川記念館・コープこうべ探訪記


社会活動家でキリスト教徒だった賀川豊彦(1888-1960)は、21歳のとき神戸の貧民窟に入り、貧民の救済に当たった。しかし、1人の力で救済できる人数はごくわずかでしかない。みんなを救済するには貧困を生まない社会を作らねばならないと考えた賀川は、労働運動、農民運動に身を投じて弱者を団結させようとした。

賀川は協同組合活動にも力を注いだ。青垣善一郎が川崎造船所内で購買組合を立ち上げようとし、会社の反対に遭って計画がとん挫したとき、青垣は賀川に相談し、賀川が組合員の範囲を神戸市民にまで広げるように提案して、1921年に設立されたのが神戸購買組合である。

同じ年、事業で成功して築いた財産を世の中のために使いたいと考えていた住吉村(現神戸市東灘区)の那須善治も賀川に助言を求め、賀川が購買組合設立をすすめて、灘購買組合が設立された。

2つの購買組合で家庭会が組織された。組合員の主婦たちが、料理講習会、布団打ち直し講習会、生活の知恵交換会、不用品交換即売会などを開催。これらの活動は女性たちに貴重な社会参加の機会を作り出し、他地域に例のない兵庫県独自の協同組合文化をつくった。

2つの協同組合は1967年に合併して灘神戸生協となり、その後コープこうべと名称を変えた。灘神戸生協は家庭会を通じて組合員の意見を汲み上げ、それを活かして安全安心の食品づくりに力を注いできた。たとえば、人工甘味を使わないみかん缶、無漂白小麦粉でつくったコープブレッド、防カビ剤不使用のレモンの輸入、人と自然にやさしい食べ物づくり「フードプラン」などの例がある。

●本文 → coopkobe.pdf
●賀川記念館のURL →  https://core100.net
●コープこうべのURL → https://www.kobe.coop.or.jp
掲載先 →  リーダーシップ2020年11月号
(発行元・日本監督士協会のURL http://www.kantokushi.or.jp
 )



家庭会の料理講習会。写真クリックで本文表示


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●貧困からの脱出をめざして
生活協同組合をつくる→
http://www.souisha.com/jirei14/1403c.html#01

●組合員の意見をきき、食の安全安心を追求する
http://www.souisha.com/jirei13/1312b.html#11